結果を出すのに必要なまわりを巻き込む技術

「チーザ」、「クラッツ」、「バトンドール」と、次々とヒット商品を世に出してきた、
江崎グリコ株式会社チョコレートマーケティング部部長 小林正典氏による著。

まわりを巻き込まずには、ヒット商品を生むことはできない。と著者は言っています。

それでは、

どのように人を巻き込むのか?
どういった時に巻き込むのか?
巻き込むことの難しさ、

そのあたりが凝縮された1冊となっています。

マーケッターには必読の一冊でしょう。

結果を出すためには出し尽くす

『考えを出し尽くしたアイデアだけが、ヒットが生まれる』
言うことは簡単でも、やる事は難しいですね。
二律背反の事象が発生した時、通常はメリット、デメリットを考え、どちらかを選択する事を選びます。しかし、著者の場合は、両方を解決する解を考えると言います。
つまり、考えざるを得ない方向に持ち込む事を意味しているように思えます。

難しいことを言い訳にせず、難しいことに挑戦する

 新しいものを生み、ヒット商品を作るには、挑戦が必要とのこと。
また、ヒット商品になるためには、最初に高く、遠く、面白く飛ぶ事が肝心。
すでに経験されている方も多いと思いますが、最初に高く飛べない商品は、お金もかけられなくなる。そのためにはどうしていくか?という内容が本著には記載されています。

マーケッターには何が求められるのか?

まずは圧倒的な情報量を日々把握する必要があります。
そして、野心を持つ。
良いアイデアを上位マネジメントや他者に説明することが可能であること。
そして、それは論理的であることが求められます。
良いアイデアというのは後からしっかりと説明出来るようになっているらしいです。
論理的に説明できるようにするには、1つ1つの事象に対して、
なぜなぜをしっかり繰り返すこと。
また、
上司は部下と一緒に考えることが大事で、部下の提案に対して、否決する場合は
 やらないリスクを引き受けることが必要です。批評家にはならない。
ただし、これだけ考え行動しても、上手くいかない方が多い。
それでも、次にどうするかを考えているときは失敗ではない。と著者は言っていました。
こういう上司の考え方だと、提案を否定されても、
納得感が あると思います。マーケッターだけではなく、上位マネジメントの方にも読んで頂きたい内容です。

成功へのビジョンを持つ

成功するためには、成功するビジョンを持つことが大事。
そして、このビジョンをメンバでしっかりと共感できる形にすることが大事。
共感が得られることで壁を乗り越えることができる。
それでは、どのように共感を得られるようになるのか?が本著には記載されている。
共感を得るためには、物語構成力が必要で、それはコンセプトの段階でおよそ決まってくる。
そのためには、根拠+顧客提供価値となる、ワードで説明できるようにする。
また、メンバへ依頼するときは、手触り感のある言葉に変換し、何をしたら良いかをイメージできる形にすることが必要。
メンバとしては、愚痴を言いたくなる時もあるが、愚痴は言わずに戦略提言することが必要
と言うように、必要なまわりを巻き込む技術にかかわらず、メンバとしてどうやって組織を上手く回していけるかについても記載されており、非常に参考になった。
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